アトピー治療の新薬“モイゼルト軟膏”とは?【医療用医薬品】

医療用医薬品
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今回はアトピー性皮膚炎治療の新薬「モイゼルト軟膏」についてです。

筆者の勤務する薬局に来られたMRさんのお話をもとに紹介します。

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モイゼルト軟膏の概要

モイゼルト軟膏とは、効能効果が「アトピー性皮膚炎」である医療用医薬品です。

発売日は現状未定。

製造販売元は大塚製薬で、製造販売承認取得済みとのことです。

アトピー性皮膚炎の治療はステロイド外用剤やタクロリムス軟膏が中心でしたが、最近コレクチム軟膏が販売開始され、ここにきてまた新薬ということでこの数年で治療の選択肢が広がってきたという印象です。

参考・市販ステロイド軟膏(塗り薬)のおすすめを紹介【市販薬で最強なのはどれ?】

モイゼルト軟膏の規格は2つです。

モイゼルト軟膏0.3%(小児用)
モイゼルト軟膏1%(成人用)

アトピーで使われるタクロリムス軟膏や、最近発売されたばかりのコレクチム軟膏と同様2規格ですね。

MRさんは「タクロリムスやコレクチムは後から小児用の規格発売になりましたが、今回モイゼルト軟膏でははじめから2規格ご用意させていただいてます」と少しご機嫌でした。

用法は成人小児問わず「1日2回」とのことでした。

今回MRさんは触れませんでしたが、副作用欄の「色素沈着障害(1.1%)」は個人的に少し気になりました。販売開始後、服薬指導でのメインの説明事項の1つになる気がします。

(おそらくこれも含めたもろもろの注意事項を記載した服薬指導用パンフレットを大塚製薬さんが作ってくれると思ってます!)

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モイゼルト軟膏の成分「ジファミラスト」とは?

モイゼルト軟膏の有効成分は「ジファミラスト」で、これはホスホジエステラーぜ4(PDE4)阻害薬です。

PDE4は多くの免疫細胞に存在し、cAMPを分解する働きをもちます。ジファミラストはここを阻害することで、細胞内cAMP↑→種々のサイトカイン・ケモカインの産生抑制→皮膚の炎症を抑制という機序で効果を発揮します。

PDE4阻害剤といえばオテズラ(アプレミラスト)がすでに経口薬として販売されていますよね。
(効能効果は乾癬ですが。。。)

なのでモイゼルト軟膏はひとことでいえばオテズラの塗り薬版で適応がアトピー性皮膚炎、という感じです。

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モイゼルト軟膏についてその他MRさんから聞いたこと

顔にも使用できる点でストロング以上のステロイドと比較して優位性がある
刺激性がない。タクロリムスと比較した場合に優位性がある
・薬価についてはコレクチム軟膏と同じくらいになるだろうとのことでした。コレクチム軟膏0.5%が現状140円(2022.04~は小児適応で3.7%引き上げ)ですのでこのくらい、ということでしょう。だいたい30gで出ることが多い気がするので、30gで計算すると基本料は考えず薬のみで3割負担1300円くらいですね。高い気がする。いや、高い。。。

まとめ

ということで現場からは以上です。

今回はアトピー性皮膚炎の新しい薬モイゼルト軟膏についてMRさんから聞いたことを情報共有してみました。

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