ご好評いただいておりますMRさんに聞いてみたシリーズ第2弾として、ラピフォートワイプについてMRさんに伺ったことを共有します。
ラピフォートワイプ2.5%は、原発性腋窩多汗症を効能・効果とする医療用医薬品です。
多汗症の中の脇汗ですね。
発売日は2022年中とのことでしたが現状未定。
発売日は2022年5月23日です。
製造販売元はマルホ株式会社です。
多汗症といえば近年登場したエクロックが有名ですが、エクロックとの差別化等も伺ったので参考にしていただければと思います。
筆者の勤務する薬局に来られたMRさんのお話をもとに紹介します。
ラピフォートワイプ2.5%の成分「グリコピロニウムトシル酸塩水和物」とは?
繰り返しになりますがラピフォートワイプ2.5%は、多汗症の中でも脇汗を効能効果とするものです。
成分は「グリコピロニウムトシル酸塩水和物」で、これは抗コリン剤です。抗コリン剤であるためやはり目に入らないように注意が必要となります。目に入ると散瞳のおそれがあるため、使用後はただちに手を洗う必要があります。販売開始後の服薬指導ではマストの項目ですね。
薬理的には汗腺のムスカリンM3受容体へのアセチルコリン結合を阻害することで発汗を抑制する効果があります。
現在臨床で使用されている多汗症の薬といえばエクロックゲルや内服薬のプロ・バンサインですが、これら2つもラピフォートワイプ同様抗コリン剤ですよね。
ということで今回のラピフォートの注目すべき点は薬理薬効部分というよりはデバイス側(剤形側?)ということになります。
ラピフォートはワイプタイプの製剤(製剤見本の写真あり)
ワイプときくと、薬学部卒業であれば誰でもご存知のキムワイプを彷彿とさせますが、まさにあんな感じの薬です。
不織布に薬液が含浸しているもので患部(脇部分)を拭く(薬を塗布する)という使い方です。
非常に簡単です。服薬指導において使い方(塗り方)自体の説明はほぼ不要という印象すらうけました。
また、個包装になっているというのは今回お話を伺っていて非常にポジティブな印象を受けた部分です。
衛生的にも良いですし、持ち運びが便利です。
製剤見本にも触れてみました。裏には使用方法および注意事項が書かれています。大きさは畳んである状態で3cm ×7cm、完全に広げた状態で9cm ×12.5cmでした。
下記写真を参考にしていただきたいのですが、使い捨ての個包装アルコールウエットティッシュみたいなイメージです。
エクロックゲルとの比較
ラピフォートと比較してエクロックはデバイスが大きな筒状のもので、外で使用する場合には筒ごと持ち運ぶ必要がありました。
ラピフォートは個包装なので使う分だけ持ち運べば良いということで、携帯性については2つを比較するとラピフォートがかなり優位かなと感じました。仕事で出張が多い方にはおすすめできそうです。例えば2泊3日の出張でも個包装のワイプを3つ持っていけばそれでOKということですね、とにかく便利です。
まとめるとエクロックゲルと比較して優位かなと思ったのは下記3点です。MRさんもこのことをかなり熱心に説明してくださいました。
・使い方がかなり簡単
・衛生的
・持ち運びに便利
デメリットはMRさんに聞いては失礼かなと思いまして、自分で考えましたが1点間違いなくエクロックに劣る点があるかなと思います。それはほぼ必ず薬が手につくということです。
エクロックゲルはデバイスに搭載されているアプリケーターを用いて薬を患部に塗布しますが、ワイプタイプであるラピフォートは薬液含浸の不織布を手で持って使用する必要があります。毎回ゴム手袋をする等の工夫をしない限りは手に薬がつきます。薬が手についた状態で目をこすったり触ったりすることによって散瞳になるリスクがあるので、このことはエクロックと比較して劣る部分かなと個人的には思います。
その他MRさんから聞いたこと
・薬価はエクロックと同等程度になる予定
→追記:薬価は1包262円、14日分で3668円です。エクロックゲル20g(14日分)で4852円なのでエクロックゲルよりも安め、3割負担の場合350円ほど安いということになります。
・塗布後30秒程度で乾燥する
・個包装開封の際は顔(眼)から離して開封する
・塗布の際ゴシゴシこする必要はない
まとめ
ということで情報共有シリーズ第2弾ということでラピフォートについてでした。
総合的に考えて、使い方が圧倒的に楽なので個人的にはエクロックよりもいいかな~と感じました。
今後も都度新薬の情報を発信していこうと思います!