登録販売者向け下剤販売時のコツ【登録販売者の接客勉強メモ3】

登録販売者
スポンサーリンク

今回は下剤を販売する場合の流れ、コツなどを解説していきます。

著者はドラッグストア勤務経験のある薬剤師です。接客に不安のある登録販売者のあなたにできる限りシンプルに販売のコツなどを伝えていきたいと思っています。この記事では難しいことは抜きにして、「これだけは絶対に必要な知識!」ということをお伝えします。

今回は下剤販売時の注意事項です。

スポンサーリンク

下剤販売時に聞き取る必要のあること

それでは早速、下剤が欲しいというお客様が来たとしましょう。
まずは下記2項目をきちんと聞き取ります。

・患者背景
・症状

これは薬を選ぶ上で欠かせない情報ですので必ず聞き取りましょう。

患者背景

患者背景というのは具体的に次の様なものです。

・年齢
・現在服用している薬
・副作用歴
・持病、既往歴
・妊娠/授乳の有無

1つずつみていきましょう。

年齢

まずは使用する方の年齢です。
下剤は年齢ごとに細かく服用量や使用量が設定されているものが多いです。
年齢を聞かずしてお薬の紹介はできません。

現在服用している薬

医療用医薬品で重複しているものがないかなどについて確認するために聞きます。

下剤の場合ですと緩下剤である「酸化マグネシウム」と刺激性下剤である「センノシド」が医療用でも頻繁に使用されていますし、OTC医薬品としてもやはり販売されています。

例えば医療用医薬品で酸化マグネシウムをすでに服用中である方には、酸化マグネシウム以外の下剤をおすすめするのが良いでしょう。

また下剤の服用経験について聞くこともお薬を選ぶ上で必要です。

副作用歴、持病、既往歴、妊娠/授乳の有無

これらは患者が「この薬を飲んではいけない人」に該当していないことを確認するために聞きます。

例えばタケダ漢方便秘薬は「授乳中の方はこの薬の服用を避けるか、服用中は授乳を避けてください」という注意があるお薬です。

授乳の有無を聞かずして、服用可否の判断はできないので必要事項として必ず聞き取りましょう。

症状

次に症状についてです。

便秘で下剤を購入希望の方にもやはり具体的に症状を聞きたいところです。

便秘にはいくつかの種類があります。判別は困難でありますが、やはりある程度の目星はつけた上でおすすめのお薬を紹介したいところです。

機能性便秘と器質性便秘

便秘には機能性便秘器質性便秘があります。そして機能性便秘はさらに次の3つに分類されます。

弛緩性便秘
痙攣性便秘
直腸性便秘

弛緩性便秘

大腸の便を排泄する働きが低下するために生じる便秘です。便が腸内に長く留まり、便中の水分量が減ることで固くなってしまいます。

運動不足、食生活の乱れ(食物繊維の不足)、水分不足などが原因となります。

痙攣性便秘

痙攣性便秘とは、腸の緊張が高まることで便をうまく運べない状態です。

心因性のことが多く、普段ストレスの多い方、転勤、入学、新入社員など環境変化があった方などに起きやすいものです。

直腸性便秘

直腸性便秘とは、便が直腸(長い腸管の一番最後排便直前の部位)まで到達しても便意を催さず、直腸内に便がとどまってしまうタイプの便秘です。

便意を我慢(家以外でしたくない、痔で排便が痛い、恥ずかしいといった理由で)することの多い人、寝たきりの人などに生じやすい便秘です。

以上、どれも想像しやすい病態ですよね。

一方器質性便秘はイメージがなかなか湧きません。

器質性便秘

器質性便秘とは、大腸や肛門をはじめ胃や小腸といった消化管で生じている何らかの疾患が原因の便秘をいいます。

例として腸閉塞があります。腸閉塞とは、お腹の手術後などに起きることのある、腸管が塞がったりねじれたりした状態ことです。

器質性便秘に関しては生活習慣の改善や市販薬で対応ができないため受診が必要です。

また、このような状況での下剤の使用は避けるべきです。腸管に穴があいてしまう「腸管穿孔」を起こす可能性があるためです。

以上おおまかな便秘の種類でした。

症状をどのように聞くか

では症状をどのように聞くか。

私は大きく3つに絞って聞くことを推奨します。

・いつからどんな便秘か
・下剤服用経験
・器質性便秘の可能性の否定

これらをうまく聞いていきましょう。便秘にはいくつか種類があると言いましたが、実際の接客においては弛緩性便秘か、痙攣性便秘か、直腸性便秘かというよりも実際の便の様子(実際の症状)でお薬を決めるのが妥当です。

便秘は少しデリケートなお話で特に女性の方では症状について話したがらない場合もあると思います。なので質問する際には言葉の使い方にも細心の注意を払いましょう。

「いつ頃からですか?あとは症状的には全く出ないのか、コロコロは出るとか、···」という程度で良いでしょう。あまりガツガツ聞かないだけど症状は具体的に言ってみる、というのが良いと思います。

また、器質性便秘の可能性を否定するためにお薬を紹介したあとでも良いと思いますが、「何か腸のご病気ないですよね?」程度に聞くのが無難でしょう。

スポンサーリンク

必要事項を聞き取ったら最適な商品を選択する

必要事項が聞けたら薬を選びましょう。

初めて下剤を飲む

まずは初めて下剤を飲むという場合には下剤特有の急激な腹痛が起きづらい酸化マグネシウムが良いでしょう。酸化マグネシウムは緩下剤であり、習慣性が低いです。

最も一般的に広く使用されている下剤であり、作用も緩徐であるため初めて下剤を服用しようと考えている方におすすめです。

便が硬くコロコロしている

この場合も便に水分を含ませることで排便を促す酸化マグネシウムがおすすめです。

コロコロではあるものの通じがあるという状態というのは、腸の動きは正常であるが便が固い、と考えられます。なので腸に働きかける刺激性下剤ではなく酸化マグネシウムのような便に働きかける(便に水分を含ませて排出しやすくする)下剤がおすすめと考えることができます。

便がすっきり出ない、残便感がある

便がすっきり出ず、残便感があるという状況では腸の動きがいつもよりも弱っているということが考えられます。

この場合は便に働きかけるタイプよりも腸に働きかける下剤がおすすめです。
例えばセンノサイドビサコジルを配合成分とするカイベールCは刺激性下剤商品です。

緩下剤が効かない場合

次は酸化マグネシウムなどの緩下剤(便に水分を含ませることで排便を促す下剤)が効かない場合です。

この場合、腸に直接働きかけるものがおすすめです。

便を柔らかくしても通じがないのであれば、次は腸に働きかける薬を使いましょうという考え方です。

酸化マグネシウムが効かない場合は刺激性下剤と覚えましょう。

とにかく今すぐに排便したい

最後に今すぐに排便したいという場合です。

こうした場合には浣腸や坐薬といった肛門から挿入するタイプのお薬一択です。

当たり前のことですが経口で服用するタイプの下剤は薬の効果発現を期待する大腸部位に届くまでに時間がかかります。食道という一本の管があって、大腸から最も遠い口から薬を入れるのと、大腸すぐ近くの肛門から薬を挿入するのとでは後者の方が早く効くのは当然です。

肛門から挿入するタイプのグリセリン浣腸は効果が数分~20分程度の間に出る場合がほとんどです。

一方経口で摂取した下剤の効果発現には、個人差ありますがおよそ8時間程度かかります。

浣腸や坐薬といった肛門から挿入するタイプのお薬一択」というのは納得していただけたでしょうか。

スポンサーリンク

おまけ。下剤販売にあたって覚えておきたい成分名

ここでは下剤を販売するにあたり覚えておきたい成分名を紹介します。ここまでの解説で出てきたものがほとんどです。

酸化マグネシウム(便に水分を含ませる緩下剤)
センノサイド(腸の運動を活発化させる刺激性下剤)
大黄甘草湯(刺激性下剤に分類)
グリセリン浣腸(即効性あります)

大黄甘草湯については、構成生薬は大黄(ダイオウ)甘草(カンゾウ)です。
このうちのダイオウの成分の一つがセンノシドであり、これは大腸の動きを活発にする作用を有します。
一方、カンゾウには鎮痛作用があります。大黄甘草湯においては、ダイオウの働きにより大腸の運動が活発化した際のお腹の痛みを和らげる目的で配合されています。

まとめ

経験上購入者が多い下剤の販売におけるコツ、注意事項等説明してきました。

いかがでしたでしょうか。

下剤はシンプルに3つに分類しましょう。

便に働きかけるもの(酸化マグネシウムなど)
腸に働きかけるもの(センノシドなど)
即効性のあるもの(浣腸など。作用は腸に働きかける)

これだけ覚えておけばあとは状況に応じて適切な薬を選ぶだけです!

タイトルとURLをコピーしました