おすすめの漢方薬下剤を紹介。便秘時はこの漢方【市販薬・大黄甘草湯】

市販薬
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漢方の歴史は長く、日本には奈良時代に伝来しました。

漢方は古代中国医学を基本とするもので、その後日本で独自に発展・実践されてきたものです。

そんな歴史の長い漢方薬は現代においても様々な場合に使用されています。

現在もバリバリ臨床の現場で使われている漢方薬があったりもします。

今回は漢方薬の中でも「下剤」を紹介していきます

辛い便秘の時に強い味方になること間違いなしの漢方薬を紹介します。

※お薬の使用時には製品パッケージに記載の注意事項をよく読み自分が使用しても大丈夫なのか確認の上、用法用量を守って正しく使いましょう。

なお、漢方薬の概要については下記の記事で詳しく解説しています。
漢方における診断。証とは?気血水、五臓(五行)についても解説

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便秘の概要

それでは今回フォーカスする便秘とはどういった状態でしょうか。

便秘とは、本来あるべき便通が3日以上なかったり、排便があってもコロコロうんちだったりで残便感がある状態のことをいいます。男女比では女性の方が多く、便秘により腹痛や食欲不振、吐き気などの症状がでることもあります。

女性に多い理由としては

1.黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響
2.恥ずかしさなどから排便を躊躇うことが多い
3.男性よりも腹筋が弱い傾向にある

といったことが挙げられます。

黄体ホルモンには体内に水分を蓄えさせる働きがあり、この働きによって便の水分を大腸から吸収し、結果として便が硬くなります。

また、妊娠時によく起こる便秘にも黄体ホルモンが関与しています。
この場合黄体ホルモンが子宮筋の収縮を抑制(流産しないように)し、それが腸にも影響して腸の運動機能が低下します。

便秘は原因により4つに分けられます。

機能性便秘

よくある便秘のほとんどはこの機能性便秘に分類されます。

機能性便秘は多くの場合生活習慣の改善や市販薬の服用で症状が軽快させることができます。

機能性便秘は下記の3つに分けられます。

弛緩性便秘
痙攣性便秘
直腸性便秘

弛緩性便秘

弛緩性便秘とは、大腸の便を排泄する働きが低下するために生じる便秘です。
便が腸内に長く留まり、便中の水分量が減ることで固くなってしまいます。

運動不足、食生活の乱れ(食物繊維の不足)、水分不足などが原因となります

便秘の中では頻度が高く、仕事中ずっと座っている方などがかかりやすい便秘です。

痙攣性便秘

痙攣性便秘とは、腸の緊張が高まることで便をうまく運べない状態です。

心因性のことが多く、普段ストレスの多い方、転勤、入学、新入社員など環境変化があった方などに起きやすいものです。

直腸性便秘

直腸性便秘とは、便が直腸(長い腸管の一番最後排便直前の部位)まで到達しても便意を催さず、直腸内に便がとどまってしまうタイプの便秘です。

便意を我慢(家以外でしたくない、痔で排便が痛い、恥ずかしいといった理由で)することの多い人、寝たきりの人などに生じやすい便秘です。

器質性便秘

大腸、肛門をはじめ胃や小腸といった消化管で生じている何らかの疾患が原因の便秘をいいます。

例として腸閉塞があります。腸閉塞とは、お腹の手術後などに起きることのある、腸管が塞がったりねじれたりした状態ことです。

器質性便秘に関しては生活習慣の改善や市販薬で対応ができないため受診が必要です

また、このような状況での下剤の使用は避けるべきです。腸管に穴があいてしまう「腸管穿孔」を起こす可能性があるためです。

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下剤は大きく分けて2種類

ここまで便秘について解説してきました。ここからは下剤についてです。

下剤は薬の作用の仕方により大きく

機械的下剤(非刺激性下剤)
刺激性下剤
その他

に分類されます。

機械的下剤(非刺激性下剤)

機械的下剤非刺激性下剤とも呼ばれる(後述の刺激性下剤と比較してこう呼ばれることがある)下剤で、主として便に水分を含ませることで便を柔らかくすることで便秘の解消を目指す薬です。便に水分を含ませて便の容積が大きくなり、それにより生理的な大腸の働き(便を排出しようとする生理的な反応)を促進させるという刺激性下剤ににた側面もありますが、機械的下剤の場合には便が大きくなった結果として大腸の働きが促進されるのであり、これは薬の効果ではありません。あくまで便に働きかける薬です。(刺激性下剤の場合は大腸の働きを薬によって促進させる。便に対しては働きかけません)

下剤を飲んだ時のさしこみのような腹部の急激な痛みが出ることが少ない、常用することで薬が効きにくくなる「習慣性」が低いといったメリットがあります。

作用が比較的緩やかであるため緩下剤と呼ばれることもあります。

機械的下剤はさらに、マグネシウムイオンなどの塩類による浸透圧を利用した塩類下剤、その他膨張性下剤糖類下剤湿潤性下剤高分子化合物などに分類されます。

最も一般的に利用されている緩下剤である酸化マグネシウムは塩類下剤に該当します。

塩類下剤

塩類下剤とは、浸透圧の原理を利用して便に水分を含ませることで便を柔らかくする、結果として困難であった排便を改善するといったものです。作用機序により浸透圧性下剤とも呼ばれます。

マグネシウムイオンや硫酸イオンなどを取り入れた薬で、これらのイオンが腸管からは吸収されにくいという特徴を活かしたものです。酸化マグネシウムの場合はマグネシウムイオンが利用されます。

浸透圧とはすごく簡単にいうと、濃度の高い側と濃度が低い側では、濃度の高い側により多くの水分が移動することです。

塩類下剤は腸管を高浸透圧とすることで腸管側に水分を引き、腸管にある便に水分を含ませ柔らかくするという機序です。

代表的な塩類下剤
酸化マグネシウム(医療用医薬品:マグミット)

膨張性下剤

膨張性下剤とは、薬が水分を吸収し、結果として便のカサが大きくなることで排便を促す下剤です。

代表的な膨張性下剤
カルメロースナトリウム(医療用医薬品:バルコーゼ)

糖類下剤

糖類下剤とは、浸透圧性下剤の一種で、腸管で吸収されにくい糖類を利用して腸管内の浸透圧を高めることで腸管の水分量を増やして便秘を改善する下剤です。

代表的な糖類下剤
ラクツロース(医療用医薬品:モニラック)

湿潤性下剤

界面活性作用を利用することで便の表面張力を低下させ、便の水分量を増やすタイプの下剤です。便を柔らかくし便秘改善を目指します。

代表的な湿潤性下剤
ジオクチルソジウムスルホサクシネート(医療用医薬品:ビーマス)

高分子化合物

ポリエチレングリコールという物質を下剤として使うことがあります。ビニール袋みたいな名前ですね。お薬と一緒に飲んだ水分が便中排泄されます。

経口腸管洗浄薬として,大腸の検査などの前に使用されます。また、医療用医薬品のモビコールという商品が販売開始以来、慢性の便秘に対しても使用されることが増えてきています。特に小児の便秘に対しては、ここ2~3年でモビコールが使用されることがぐっと増えたなというのが調剤薬局で働いていての印象です。

刺激性下剤

便を排出しようとする腸の運動を蠕動運動といいます。刺激性下剤とはこの蠕動運動を薬の働きにより亢進するタイプの下剤で、刺激性下剤は主にアントラキノン系、ジフェノール系、ジフェニルメタン系に分類されます。

緩下剤と比較して腹痛が起きやすい、習慣性があるというデメリットがありますが、効果は比較的強いです。

アントラキノン系

アントラキノン系には刺激性下剤の中で圧倒的に使用頻度が高いセンノシドが分類されます。

アントラキノン系は腸内細菌の分解により瀉下効果のあるレインアンスロンという物質となり排便を促します。さらに水分吸収の阻害を通して便に水分を含ませる作用もあるとされています。

また、長期の服用により大腸壁が黒くなる大腸メラノーシスになることがあります。これは、粘膜の色が黒くなることで、これそのものは病気ではありません。

今回紹介する漢方薬に配合されている大黄にはこのアントラキノン類の瀉下成分が含まれています。

代表的なアントラキノン系刺激性下剤
センノシド(医療用医薬品:プルゼニド)

ジフェノール系

ジフェノール系刺激性下剤には腸内細菌によりジフェノールメタンという瀉下効果のある物質となり排便を促します。

アントラキノン系と同様に水分吸収阻害作用もあるとされています。

代表的なジフェノール系刺激性下剤
ピコスルファート(医療用医薬品:ラキソベロン)

ジフェニルメタン系

ジフェニルメタン系は、大腸粘膜に直接作用して便通改善を目指すものです。市販薬では内服薬に配合されている商品がありますが、医療用医薬品では坐薬として使用されています。

代表的なジフェニルメタン系刺激性下剤
ビサコジル(医療用医薬品:テレミンソフト)

その他

下剤で忘れてはいけないのが浣腸です。市販、医療用医薬品問わず汎用されているグリセリン浣腸はかなりポピュラーな存在ですね。

グリセリン浣腸は①直腸(大腸の中で一番肛門に近い部分)を直接刺激 ②水分を含ませ便を柔らかくする ③便の滑りをよくするといった作用により強力な瀉下作用を示します。

その他医療用医薬品では近年様々な作用機序の下剤が登場してきており、排便に関与する胆汁酸に着目したグーフィス、腸管上皮表面のグアニル酸シクラーゼC受容体という部位に作用するリンゼス、小腸上皮にあるクロライドチャネルに作用するアミティーザなど便秘治療の選択肢が増えています。

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便秘の時におすすめの漢方下剤はこれ

それではここからおすすめの漢方下剤を紹介します。

ずばりおすすめの漢方薬の下剤は大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)です。

下剤は主に便に働きかけるタイプの薬(便を柔らかくする)と便を排出する腸に働きかけるタイプの薬に分類されるのは前述の通りです。大黄甘草湯は後者の便を排出する腸に働きかけるタイプの薬です

構成生薬は下記の通りです。

構成生薬=ダイオウ、カンゾウ

ダイオウ(大黄)・・・排便促進や活血作用などがあり、便秘などに用いられます。ダイオウの成分の一つであるセンノシドが下剤としての作用を持ちます。なお子宮収縮作用があるため、妊婦さんの服用に際しては婦人科の主治医の指示を仰ぎましょう。

カンゾウ(甘草)・・・極めて甘い。甘い草で甘草です。含有するグリチルリチン酸という有効成分は抗炎症剤として用いられます。ステロイドホルモンの一種に分類され、優れた抗炎症・鎮痛作用を示します。風邪薬にも使われ、有名な葛根湯やこむら返りに使用する芍薬甘草湯にも配合されています。

参考・足がつる(こむら返り)時におすすめの市販の漢方薬【番号68 芍薬甘草湯】

大黄甘草湯という名前の通り、構成生薬は大黄と甘草ですね。

大黄の成分の一つであるセンノシドが大腸の動きを活発にし、結果として排便を促します

一方、甘草には鎮痛作用があります。大黄甘草湯においては、大黄の働きにより大腸の運動が活発化した際のお腹の痛みを和らげる目的で配合されています。

注意事項として下記項目があります。

1.効果発現までには個人差はありますが概ね8~12時間程度かかります。就寝前に服用して翌朝に効果が出てくるイメージです。

2.大黄甘草湯は、長期間飲み続けることで効果が弱くなっていまうことがあります。これは大腸がお薬服用時の刺激に慣れてしまい反応が悪くなるためです。必要時のみの服用にとどめましょう。

3.大黄は強力な下剤であるため、体力がない場合には他の下剤を使いましょう。

4.大黄には子宮収縮作用があるため妊娠中の服用に際しては、産婦人科の担当医と相談しましょう。

5.授乳中については各商品のパッケージに「授乳中は服用しないか、服用する場合は授乳を避けること」と記載があるためそれに従いましょう。

6.服用後も便秘が続く場合には受診し、医師から適切な便秘薬を処方してもらうことを推奨します。

ここからは大黄甘草湯を基礎とする市販薬を2種類紹介します。

・タケダ漢方便秘薬
・生薬便秘錠

タケダ漢方便秘薬

タケダ漢方便秘薬の配合成分はダイオウとカンゾウだけであり、大黄甘草湯そのものです

最大服用量中の成分量はダイオウ1067mg、カンゾウ267mgです。

パッケージもよく知られており、ドラッグストア勤務時によく売れた下剤の一つでした。

センナ大黄甘草便秘錠

センナ大黄甘草便秘錠の配合成分はダイオウ、カンゾウ、センナです。

センナとは植物の一種で、欧米諸国で古くから下剤として使われていた生薬です。センナの有効成分はセンノシドであり、大黄の成分の一つであるセンノシドと同一です。

なのでセンナ大黄甘草便秘錠もほぼほぼ大黄甘草湯そのものだと思っていただいて問題ありません

最大服用量中の成分量はダイオウ500mg、センナ600mg、カンゾウ150mgであり、タケダ漢方便秘薬と近い成分量です。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

いかがでしたでしょうか。

今回は市販の漢方薬の中でも便秘に効果のあるお薬を紹介しました。

今回の記事を便秘が気になる時の市販薬購入の参考にしていただけると幸いです。

※お薬の使用時には製品パッケージに記載の注意事項をよく読み自分が使用しても大丈夫なのか確認の上、用法用量を守って正しく使いましょう。

漢方以外の下剤についても紹介した記事があります。ご興味ある方は下記記事も是非覗いてみてください。

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