ニキビにおすすめの漢方薬を紹介。【荊芥連翹湯、清上防風湯など】

市販薬
スポンサーリンク

「青春のシンボル」とも言われるニキビ。

思春期にはみなさんニキビに悩んだ時期があるのではないでしょうか?

また特に女性では20代、30代と大人になってからもニキビに悩まされることがありますよね。

今回はニキビに対して漢方薬でのアプローチを考える回です。ニキビに対して効果の期待できる漢方薬を紹介していきます。

※お薬の使用時には製品パッケージに記載の注意事項をよく読み自分が使用しても大丈夫なのか確認の上、用法用量を守って正しく使いましょう。

スポンサーリンク

漢方の概要

漢方薬漢方
漢方薬は、漢方医学の理論に基づいて処方される薬のことです。生薬(しょうやく)と呼ばれる植物や動物、鉱物などを2種類以上組み合わされて作られたもので、特に植物の根や樹皮、果実などが生薬として頻繁に用いられます。
一方漢方とは漢方薬を用いた治療だけでなく、鍼灸、薬膳、整体などを含めた医学を意味します

漢方は奈良時代に伝来した古代中国医学を基本とするもので、その後日本で独自に発展・実践されてきた医学です。

そもそも「漢方」は、西洋医学を「蘭方」と名付けたのに対して、日本で名付けられた呼び名です。

漢方の基本は “病気ではなく病人をみる” という考え方にあります。

漢方医学と西洋医学の違い

漢方医学(東洋医学)と西洋医学の違いは何でしょうか。

それは病気の捉え方です。

捉え方が異なるため治療のアプローチも異なります。

例として「足が痛い」という人について考えてみましょう。

西洋医学では「足の痛み」に対して痛み止めが処方されるでしょう。
これは、「痛み」という病気にフォーカスしているためです。

一方漢方医学においては「痛みの原因は何か」という観点で「痛み」という病気・症状だけでなく、痛みが出ている原因、身体(心も含む)全体で何が起きているかといったことにアプローチして、治療法を提案してきます
例えば身体のゆがみが原因で足の痛みが出ているのであればゆがみを治す、といったようにです。

ここから西洋医学では「病気」自体を、漢方医学では「病気になっている人」を評価、診断すると言えます。

このように「病気」の捉え方に違いがあります。

どちらが優れているということではないですが、上記のように考え方は両者で異なります。

一方で「薬」については漢方薬西洋薬で少し似たところがあります。

基本的には漢方薬は生薬から成るもの、西洋薬は化学的に合成した成分です。

西洋薬について、初めて化学的に合成された成分は「アセチルサリチル酸」であり、「アスピリン」という名前で広く知られています。すでに100年以上の長い歴史を持つ薬です。

このアセチルサリチル酸の元となった物質はサリチル酸で、19世紀にヤナギの木から分離されました

世界で初めて人工合成により作られた医薬品であるアスピリン(アセチルサリチル酸)も、元々はヤナギから分離された自然由来の「サリチル酸」がきっかけとなっています。

漢方薬西洋薬も元を辿れば自然という共通項があるのです。

そう考えると一見して相反している漢方薬と西洋薬は、広い意味では同じ「薬」と言えるのではないでしょうか。

漢方医学における診断、漢方の概要等は下記の記事で詳しく解説しました。

スポンサーリンク

ニキビとは

ニキビとは顔などにできる発疹(ぶつぶつ)のことで、正式名称は尋常性ざ瘡といいます。

ニキビは毛穴がつまり→毛穴の中に皮脂がたまり→原因菌であるアクネ菌が増殖するという病態で生じる炎症性疾患で、その原因は元となる毛穴のつまり皮脂の過剰分泌(油分の出過ぎ)です。

ニキビのできやすい部位は顔で、特に思春期によく見られる症状です。ですが思春期特有の症状というわけではなく、特に女性においては思春期以降も症状が断続的に出ることがあり、40代ごろまで見られることがあります。

思春期におけるニキビの主な原因は成長過程における皮脂の過剰分泌です。

大人では皮脂の過剰分泌に加えて、様々な理由で皮膚のターンオーバー(新陳代謝)がうまくいかないために余分な角質がたまりその角質が毛穴を塞いでしまうことも原因となります。

ターンオーバーについては下記の記事で詳しく解説しました。

スポンサーリンク

ニキビの種類

ニキビは症状の程度により3種類に分類され、その時々によって見た目も変わります。

コメド(白ニキビ、黒ニキビ)

コメドニキビの初期段階であり、コメドにも白ニキビ、黒ニキビと2段階あります。

この期間に改善できると炎症を起こしている状態である赤ニキビへの移行を防げます。

白ニキビ

白ニキビは毛穴が角質により詰まっている状態で、ニキビの初期段階です。

見た目は小さな白い点で、この段階では自覚しない(気づかない)ことも多いです。

黒ニキビ

黒ニキビは、皮脂が酸化することにより患部が黒く見える状態です。白ニキビが進行した状態です。

赤ニキビ

赤ニキビはコメドが悪化し、炎症が起きている状態です。

炎症により患部は赤く腫れ上がり、痛みを感じることもあります。

毛包では、皮脂をエサとするアクネ菌が増殖しています。

アクネ菌は皮膚に常に存在している菌で、肌のpH(酸性度)を弱酸性に維持するはたらきがあります。皮脂の過剰な分泌によりアクネ菌が繁殖し通常よりも多くなることでニキビにおいては悪役となってしまいます。

黄ニキビ

黄ニキビは赤ニキビがさらに悪化し、化膿した状態でありにきびの最終段階です。

見た目は黄色い膿みが患部中央に見えるため黄色です。

菌の繁殖が原因で炎症が悪化して膿みが溜まってしまった状態です。アクネ菌が産成するリパーゼという酵素が皮脂を分解することで炎症性物質ができ、その結果炎症を引き起こします。

黄ニキビでは皮膚の奥まで傷ついてしまい、症状が改善したあとで瘢痕(ニキビ痕、へこみ)が残ってしまう場合があります。

ニキビのケアにおいては最終段階である黄ニキビまで進行させないことが重要です

ニキビの対策は?

ニキビの対策について解説する上でニキビの原因、病態をもういちどおさらいしましょう。

ニキビの病態は

①毛穴がつまり
②毛穴の中に皮脂がたまり
③原因菌であるアクネ菌が繁殖する

です。

そしておおもとの原因は

・毛穴のつまり
・皮脂の過剰分泌(油分の出過ぎ)

です。

この2点に対してアプローチしていくことがニキビの治療、対策(予防)となります。

また、既にできているニキビに対しては増殖したアクネ菌に対して抗生物質を使用することもあります。

毛穴のつまりに対しては、つまりの原因となる余分な角質を取り除くお薬が使われます。ピーリング作用のある薬で、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を促進することによりニキビの治療だけでなくニキビの発生抑制効果も期待できます。

ピーリング作用のある薬は医師による処方が必要で、薬の名前ではデュアック配合ゲル、ベピオゲル、ディフェリンゲル(アダパレンゲル)、エピデュオゲルが医療用のピーリング作用のある薬として使われているものです。

皮脂の過剰分泌に対してはビタミン剤を使用します。

思春期においてはホルモンバランスの変化により皮脂の分泌量が増えますし、成人においても油分の多い食生活、ストレスなどが原因で皮脂が過剰に分泌されてしまうことがあります。

ニキビにおすすめのビタミン剤は下記の記事で紹介しました。
ニキビにおすすめの飲み薬。市販のビタミン剤ランキング【市販薬】

また、比較的軽度の症状であれば市販のニキビ用塗り薬で対応できる場合もあります。塗り薬は飲み薬が身体の内側からニキビの改善を目指す薬(体質改善と言ったりしますよね)であるのとは異なり、患部に直接作用するため内服薬と比較すると速効性があるという特長があります。

おすすめのニキビ用塗り薬は下記の記事で紹介しました。
市販のニキビ用塗り薬をランキングで紹介。おすすめの塗り薬はこれ

そして今回のテーマである漢方薬ですが、ニキビ治療においてもちろん漢方薬を使用することもあります

今回はニキビに対して漢方薬でのアプローチを考える回ということで、ニキビにおすすめの漢方薬を紹介します。

ニキビにおすすめの漢方薬3選

お待たせいたしました。

ここからニキビの際におすすめの漢方薬を紹介します。

荊芥連翹湯

まず最初に紹介する漢方薬は荊芥連翹湯です。

荊芥連翹湯の構成生薬はオウゴン、オウバク、オウレン、キキョウ、キジツ、ケイガイ、サイコ、サンシシ、ジオウ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、ハッカ、ビャクシ、ボウフウ、レンギョウ、カンゾウです。

それぞれ下記の働きがあります。

1つ1つみていくと荊芥連翹湯は消炎・解熱、排膿、血行促進という効果がメインであることがわかります。炎症を起こしているニキビにおすすめです。

ニキビ以外にも、化膿性疾患である蓄膿症にも使われる漢方薬です。

荊芥連翹湯の構成生薬

オウゴン(黄芩)・・・消炎解熱の効果があり、炎症や熱性の疾患、腹痛などに用いられます。

オウバク(黄柏)・・・健胃整腸を目的として胃腸薬として使われます。

オウレン(黄連)・・・味は極めて苦く、苦味健胃薬として使われます。食欲不振、腹痛、下痢などの胃腸症状に効果があります。また、鎮静の効果もあり不眠などにも用いられます。

キキョウ(桔梗)・・・去痰、排膿などの効能があり、咳、痰やのどの痛みなどに用いられます。扁桃炎で桔梗が配合されている桔梗湯が用いられるのは有名な話です。

キジツ(枳実)・・・ミカン科のダイダイ、ナツミカンなどの未熟果実を乾燥させたものです。健胃、便通改善などの効能があり、胸のつかえ、腹痛、腹部膨満感、便秘などに用いられます。

ケイガイ(荊芥)・・・のどの痛み、発熱などの風邪症状などに用いられます。また、皮膚疾患に用いられます。荊芥連翹湯の名前にも「荊芥」とありますね。

サイコ(柴胡)・・・解熱鎮痛、消炎薬。鎮静作用もあります。滋養強壮薬、精神神経用薬に配合されていることが多いです。

サンシシ(山梔子)・・・消炎、利胆、解熱、鎮静の効果があります。皮膚疾患、尿路疾患、精神疾患への処方に配合されることが多いです。

ジオウ(地黄)・・・補精、強壮作用があります。血行不良によるしびれ、鼻出血、子宮の出血、前立腺肥大などに用いられています。夜間頻尿に使われることのある八味地黄丸という漢方薬にも配合されています。

シャクヤク(芍薬)・・・抗けいれん・血管拡張などの効果があり、血行不良を原因とした痛みや凝り、痙攣に用いられます。月経不順等婦人科疾患に頻用される当帰芍薬散は比較的有名ですね。名前にも「芍薬」とありますが、当帰芍薬散にはシャクヤクが配合されています。

センキュウ(川芎)・・・セリ科のセンキュウの根茎を乾燥させたものです。活血、止痛などの効能があり、婦人薬、冷えに対しての処方などによくみられます。血行をよくし、身体のバランスを整えます。貧血、月経不順、月経痛、冷え性などに用いられています。

トウキ(当帰)・・・婦人科系疾患で頻用されます。月経不順等婦人科疾患で使用される当帰芍薬散加味逍遙散にも配合されています。

ハッカ(薄荷)・・・独特な香りがあり清涼感があります。ハッカはご存知ですね。解熱、健胃、鎮痛作用があります。薄荷油は筋肉痛などの外用薬の原料、歯みがき粉、お菓子等にも用いられます。

ビャクシ(白芷)・・・発汗、血行改善、鎮静、鎮痛、排膿作用などがあります。頭痛、神経痛、風邪症状などに用いられます。

ボウフウ(防風)・・・発汗、解熱、鎮痛作用があります。

レンギョウ(連翹)・・・消炎、解熱、排膿などの効果があります。化膿性の病気(蓄膿症やニキビ)に使われます。荊芥連翹湯の名前にも「連翹」とありますね。

カンゾウ(甘草)・・・極めて甘い。甘い草で甘草です。含有するグリチルリチン酸という有効成分は抗炎症剤として用いられます。ステロイドホルモンの一種に分類され、優れた抗炎症・鎮痛作用を示します。風邪薬にも使われ、有名な葛根湯にも配合されています。

清上防風湯

次に紹介するのは清上防風湯です。

構成生薬はオウゴン、キキョウ、サンシシ、センキュウ、ハマボウフウ、ビャクシ、レンギョウ、オウレン、カンゾウ、キジツ、ケイガイ、ハッカです。

熱を取り除き、消炎(炎症をしずめる)ことが期待できます

体力がある人の炎症を起こしている赤いニキビに使うイメージです。

逆に血色が悪く、ストレスからくる肌荒れに使うイメージはあまりありません。

配合生薬をみていくと、消炎、解熱成分が多いことがわかります。

清上防風湯の配合生薬

オウゴン(黄芩)・・・消炎・解熱の効果があり、炎症や熱性の疾患、腹痛などに用いられます。

キキョウ(桔梗)・・・去痰、排膿などの効能があり、咳、痰やのどの痛みなどに用いられます。扁桃炎で桔梗が配合されている桔梗湯が用いられるのは有名な話です。

サンシシ(山梔子)・・・消炎、利胆、解熱、鎮静の効果があります。皮膚疾患、尿路疾患、精神疾患への処方に配合されることが多いです。

センキュウ(川芎)・・・セリ科のセンキュウの根茎を乾燥させたものです。活血、止痛などの効能があり、婦人薬、冷えに対しての処方などによくみられます。血行をよくし、身体のバランスを整えます。貧血、月経不順、月経痛、冷え性などに用いられています。

ハマボウフウ(浜防風)・・・発汗、解熱・鎮痛などの作用があります。風邪薬(感冒薬)に用いられることが多いです。ボウフウの代用生薬として使われます。

ビャクシ(白芷)・・・発汗、血行改善、鎮静、鎮痛、排膿作用などがあります。頭痛、神経痛、風邪症状などに用いられます。

レンギョウ(連翹)・・・消炎解熱、排膿などの効果があります。化膿性の病気(蓄膿症やニキビ)に使われます。

オウレン(黄連)・・・味は極めて苦く、苦味健胃薬として使われます。食欲不振、腹痛、下痢などの胃腸症状に効果があります。また、鎮静の効果もあり不眠などにも用いられます。

カンゾウ(甘草)・・・極めて甘い。甘い草で甘草です。含有するグリチルリチン酸という有効成分は抗炎症剤として用いられます。ステロイドホルモンの一種に分類され、優れた抗炎症・鎮痛作用を示します。風邪薬にも使われ、有名な葛根湯にも配合されています。

キジツ(枳実)・・・ミカン科のダイダイ、ナツミカンなどの未熟果実を乾燥させたものです。健胃、便通改善などの効能があり、胸のつかえ、腹痛、腹部膨満感、便秘などに用いられます。

ケイガイ(荊芥)・・・のどの痛み、発熱などの風邪症状などに用いられます。また、皮膚疾患に用いられます。清上防風湯だけでなく先に紹介した荊芥連翹湯にも配合されています。

ハッカ(薄荷)・・・独特な香りがあり清涼感があります。ハッカはご存知ですね。解熱、健胃、鎮痛作用があります。薄荷油は筋肉痛などの外用薬の原料、歯みがき粉、お菓子等にも用いられます。

桂枝茯苓丸料加薏苡仁

最後に紹介するのは桂枝茯苓丸料加薏苡仁です。

構成生薬はケイヒ、ブクリョウ、ボタンピ、トウニン、シャクヤク、ヨクイニンです。

桂枝茯苓丸料加薏苡仁桂枝茯苓丸に肌荒れ改善、ターンオーバー促進などの皮膚への効果があるヨクイニンを加えたものです。
(ちなみに桂枝茯苓丸は下半身の冷え、月経不順などに使われる生薬です)

血の巡りが悪くなることで肌の新陳代謝が滞りがちとなり、結果として肌荒れを起こすことがあります。 

桂枝茯苓丸料加薏苡仁は血の循環を改善し肌のターンオーバーを正常化することでニキビに効果を発揮すると考えられます。また月経不順に対しても使うことがあります。

ここから考えると桂枝茯苓丸料加薏苡仁性周期に伴って肌荒れを起こす女性のニキビに効果が期待できそうですね。

桂枝茯苓丸料加薏苡仁の構成生薬

ケイヒ(桂皮)・・・鎮痙、鎮静、発汗、解熱作用、血圧下降。末梢血管拡張、心収縮力増強などがあります。また、シナモンの匂いがすることから、芳香性健胃薬に使われることがしばしばあります。有名な太田胃散にも配合されています。

ブクリョウ(茯苓)・・・利尿、消化機能亢進、鎮静、の効果があり、食欲不振、消化不良、動悸、不眠などに用いられます。

ボタンピ(牡丹皮)・・・鼻血、下血、月経不順などに用いられます。血液循環を改善し、うっ血を改善するものです。

トウニン(桃仁)・・・桃の種子を乾燥させたものです。漢方的には、血液障害改善、排膿の作用があり、月経障害などに用いられています。

シャクヤク(芍薬)・・・抗けいれん・血管拡張などの効果があり、血行不良を原因とした痛みや凝り、痙攣に用いられます。月経不順等婦人科疾患に頻用される当帰芍薬散は比較的有名ですね。名前にも「芍薬」とありますが、当帰芍薬散にはシャクヤクが配合されています。

ヨクイニン(薏苡仁)・・・ヨクイニンの原料はハトムギの皮を除いた種のことで、古くからお肌のために用いられてきた生薬です。良質なアミノ酸を多く含み、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)を活発化させる作用があります。皮膚科ではイボの改善を目的としてヨクイニンが処方されることが多いです。

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございました。

いかがでしたでしょうか。

今回はニキビに対して漢方でアプローチしてみようということでニキビにおすすめの漢方薬を紹介しました。

今回紹介した漢方を服用してもニキビが改善しない場合には一度皮膚科を受診されることを推奨します。医師が処方する医療用医薬品での治療が必要な場合があるためです

今回の記事をニキビの時の薬選びの参考にしていただけたら幸いです。

※お薬の使用時には製品パッケージに記載の注意事項をよく読み自分が使用しても大丈夫なのか確認の上、用法用量を守って正しく使いましょう。

タイトルとURLをコピーしました